飲食店の棚卸 棚卸ちゃんとしてますか?

飲食店の場合、避けて通れない作業として棚卸があります。

棚卸とはいわゆる在庫を数えて計上することです。

主に、

 

商品(仕入たもの)

製品(自社で作成し完成したもの)

仕掛品(自社で作成中のもの)

貯蔵品(未使用の消耗品関係)

 

が棚卸資産となり、資産計上する必要があります。

棚卸については飲食店の場合、

少なくとも毎月したいところです。

 

棚卸は実は税務調査で目を付けられやすい科目です。

理由としては、利益調整に利用されることが多いためです。

そのため税務調査で指摘されやすい注意事項を下記に記載します。

 

注意1 未着品を計上する

未着品の棚卸の計上もれ、これは必ずといっていいほど、

税務調査では調べられます。

未着品とは、例えば3月末決算の会社で、

3月31日に注文し、4月1日以降に到着した材料等を指します。

この場合、3月に請求され仕入(買掛金)処理をしたとしても、

棚卸として資産計上をする必要があります。

仕入先にも自分の店にもないものになるため、

棚卸から漏れがちになりますが、

忘れずに計上しましょう。

 

注意2 評価基準を決める

実は棚卸資産の評価方法には、複数の方法があります。

一番多いのは「最終仕入原価法」です。

最終的に仕入れた単価をもとに棚卸の計算をする方法。

メリットは計算が楽なところですね。

他には、「個別法」「先入先出法」「総平均法」「移動平均法」

などもあります。

一回決めた計上基準をコロコロ変えることはできませんので、

ご注意ください。

 

注意3 資料(手書き)をしっかり残しておく

通常、棚卸表についてはエクセル等で管理するのが一般的かと思います。

その資料をもとに税理士は棚卸計上することになります。

当然、そのエクセル資料は会社に保管されております。

しかし、税務調査ではそのエクセルと、

手書きベースでの資料の提出がもとめられます。

実は、これ、あまり知られておりませんが、

ほとんどのケースで提出を求められます。

通常棚卸計上するときに、直接パソコンに打ち込む人はいないでしょう。

手元の紙に手書きでメモをし、それをエクセルに転記して、

資料を作成していきます。

そのため、その手書きの資料は重要な証拠書類の一つになるのです。

それがなければ

「パソコンで適当に作っただけ」

と言われても反論するのが難しいのです。

もちろん、その手書きの資料も適当に作っていればバレますので、

正直に棚卸は計上しましょう。

 

 

棚卸は経営者を悩ます科目の一つです。

正しい処理をしないと後で足元をすくわれることとなりますので、

ご注意ください。

take(テイク)会計事務所 竹田健司税理士事務所 代表税理士・MBA 竹田健司 さいたま市職員時代に税理士試験に合格し、 税理士となった異色の経歴。 また、勤務税理士時代に、ビジネススクールに通い、 首席で卒業。 そのMBAの取得をきっかけに 東京都豊島区池袋にて税理士事務所を開業。 ビジネススクールにて 一番の研究テーマであった飲食店のマーケティングにより、 コストをかけないで儲かる仕組みづくりを飲食店に提供。 それにより、開業より順調に顧問先を増やしている。