皆さん、こんにちは。
池袋の開業税理士。竹田健司です。
本日はマーケティングの話。
飲食店をはじめとした
BtoC事業においては、
市場シェアには目を配る必要があります。
市場シェアというと、
大きな括りに聞こえてしまいますが、
例えばラーメン屋があったとして、
そのラーメン屋さんがある
商圏を市場として、
その範囲でシェアを考える。
これも立派な市場シェアの考え方です。
クープマンの目標値
ランチェスター戦略のように、
元々軍事目的であったものが、
ビジネスに応用されている例は
古来より沢山あります。
その中でも有名なのが
ランチェスター戦略ですが、
その中のシェアの理論は
戦争の勝ち負けのルール
「クープマンの目標値」
の影響を大きく受けております。
下記にその目標値別のカテゴリーを
記載します。
73.9% 独占
73.9%のシェアを獲得すると、
独占状態になります。
独占状態を継続しているのは
飲食店業界でいうとマクドナルドです。
一時期は売上の不振から
73.9%のシェアを
下回ったと考えられますが、
現在はそれを脱却し、
またそれに近いシェアを獲得しております。
これ以上のシェアを獲得すると、
独占禁止法をはじめとした、
行政による縛りが生じてきます。
41.7% 相対的安定
41.7%のシェアを維持できれば、
間違いなく安定した事業展開が可能です。
飲食店業界でいうと、
すき家がこのシェア獲得をしております。
牛丼シェアでいうと、
すき家、吉野家、松屋が思い浮かびますが、
すき家はこの3つの中で、
このシェアを獲得することにより、
リーダー企業となっております。
そのため、例えばすき家が値引きをしたら、
他の2社も下げざるを得ないといった、
ポジションにあるのがリーダー企業であり、
イニシアチブを握っている
状態とも言えます。
※牛丼業界は一社が下げたら
もう二社も下げるのが通例ですが・・・。
26.1% 強者の最低条件
26.1%のシェアを獲得していると、
基本的には
その業界のリーダー企業に分類されます。
場合によっては、
2位企業のケースもありますが、
リーダー企業と分類される目標値が
26.1%となります。
これはカフェ業界でいうところの
スターバックスです。
スターバックスはカフェ業界における
リーダー企業です。
下位企業はスターバックスの
動向を常に注目し、
逆に言うと、
スターバックスは業界へ
常に強い影響力を持った状態となります。
季節ごとの新商品などは、
下位企業が模倣する、
そのようなケースが生じることが
多くなります。
19.3% 拮抗状態
19.3%の市場シェアを獲得した企業が
業界1位の場合、
完全なリーダー企業が存在しない、
もしくは下位企業同士が拮抗している
競争状態であると言えます。
この状態から一歩先に出るためには、
19.3%のシェア獲得が目標値となります。
これに近いのは清涼飲料水市場です。
コカコーラが20%超のシェアがあり、
それに追随するのが、
サントリー、アサヒ、キリンetc.
これらも市場シェアは
10%台だと思われるので、
非常に拮抗した市場となっております。
10.9% 市場認知
10.9%の市場シェアの場合、
基本的には
その業界のリーダーにはなりません。
上位を追随する企業であり、
これくらいの市場シェアを有していると、
顧客や競合からその存在を
認知されるようになります。
ただし、注目度は高くなく、
商品やアイディアの模倣をされる
ことは少ないでしょう。
そのためリーダー企業に比べると
フットワークが軽く、
先進的な試みにより、
爆発的なヒットを生み出せる可能性が
高いのも特徴となります。
6.8% 存在の認識
6.8%のシェアを獲得していれば、
その市場において存在を認識しており、
競争の土台に乗っていると言えます。
逆に言うと、6.8%以下のシェアの場合には
市場に参加できていない状態であり、
業種業態によっては、
撤退も止むなしと言えます。
よって、新興企業にとっては
この市場シェアが、
当面の目標値になってきます。
クープマン目標値の応用
上記の各々の立場により、
その市場での戦略は異なってきます。
そういった意味ではクープマンの目標値は、
現在の市場シェアにより、
最適な戦略を取るための
目安となる値になります。
またこれは、
様々な方面での応用が可能です。
個人的には飲食店の販促物の作成にも、
大きく活用できると感じます。
販促物への応用
例えば、飲食店のチラシ。
カラフルで派手なチラシを作れば
集客できる、
こんな簡単なものではありません。
チラシ一つを取っても、
様々なノウハウが集約され、
その努力が来客という結果に繋がります。
これについては、
クープマンの目標値が応用できます。
ポイントとなるのは、19.3%の拮抗状態。
マーケティングの世界では、
これを抜け出ることによって、
他社より一歩先にと、
その業界で目立つ存在になります。
これはチラシを含めた販促物でも同じです。
例えば一番売り出したいものがあるのなら、
それが全体の20%以上を占めるような
割合で配置することにより、
見た方の目を強く惹く存在となります。
もちろん、
完全にそれのみを推したい場合には、
73.9%を超えるような配置を
意識するのもいいでしょう。
この考え方は、メニュー表でも同じで、
そのような数字を意識した配置により、
おススメメニューの集中化が実現し、
売上UPや、
オペレーション改善による、
利益率の向上が可能となります。
まとめ
飲食店にとっては、
上記にあげたクープマンの目標値は
非常に参考とすべきものです。
これはマーケティングにも、
また販促物にも応用できる
非常に有効なツールとなり、
飲食店の売上や利益に
大きく貢献するでしょう。
個人的には販促物作成時には
20%のラインを
意識するようにしております。
これを意識するだけで、
効果が大きく変わるのが
マーケティングです。
ぜひお試し頂ければと思います。