税理士で転職するなら大きな法人?小さな事務所?

皆さん、こんにちは。

池袋の開業税理士、竹田健司です。

この12月は税理士試験の発表があるため、

転職活動が活発になります。

私も数年前はその一人。

その時に迷ったのが、

どの程度の規模の事務所に入るかです。

 

収入を重視

大きな税理士法人 >> 小さな事務所

 

一般的にはこうなります。

年収だと100万円以上の差があるかも。

大手だと相当忙しいので、残業も多いです。

そのため、一年目からそれなりの

年収になります。

それに対し、

小さな事務所で一年目から高給取りという

パターンは聞いたことがないですね。

 

合格を重視

大きな税理士法人 < 小さな事務所

 

これはそこまで差がないような気もします。

大きな税理士法人でも、

試験休暇は結構取れたりしますし。

また、7〜8月は基本的には

税理士業務が一番落ち着く期間なので、

残業も少ないかと。

私の知り合いで、

最後の1科目がなかなか受からず、

ずっと小さな事務所で勤務していましたが、

思いきって大きな税理士法人に転職し、

その年に受かった人もいます。

小さな事務所の方が合格しやすいと

考えた理由は、

採用の際にそのような条件を付けられる

可能性があります。

特にこのような売手市場の場合、

税理士事務所側は採用コストがかさみます。

そうなると、

「絶対この人採用したい。」

と思う場合は多々あります。

その際に、

「どうしても短期間で受かりたいので、

この1年間は担当する会社を多少なりとも

少なくしてもらいたい。」

といったような交渉も可能です。

場合によっては

「基本給が4/5で構わないので、

週4勤務でお願いしたい。」

といった条件を付けて転職した人も

何名か聞いたことがありますね。

大手だと職員の回転が多く、

悪く言うと使い捨て。

そういう考えがいまだに脱却できない

会社だと、このような条件は無理です。

小さな事務所ならではのメリットかと思います。

 

独立を重視

大きな税理士法人 <<< 小さな事務所

 

将来、税理士として独立開業することを

考えているならば、

必ず小さな事務所を経験するべきです。

基本的に、コネなしの開業となると、

必然的にターゲットは中小企業です。

大きな税理士法人の場合、

もちろんその会社のやり方にもよりますが、

基本的にはそれなりの規模の会社を

担当することが多くなります。

そうなってくると、

会計のやり方、適用する税務、相談の内容、

これが中小企業と大きな企業では

全く異なります。

正直大手ばかり担当している方が、

独立して中小企業のクライアントを持つと、

全く対応できないと言っても

過言ではありません。

それくらいやる仕事が違います。

また、大きな税理士法人の場合、

基本的には分業体制が敷かれてますので、

一つの会社の1から10までを完結させる

ような仕事は与えられません。

分業体制なので、

与えられたその仕事のプロフェッショナル

なることは可能です。

もちろん、そのスキルは独立してからも

活躍するとは思います。

ただし、その状態で独立すると、

「年末調整ってどうやるの?」

「法定調書って何ですか・・・?」

となります。

会計士の方で、

ずっと監査法人にいたが、

税理士として独立した。

そのような人がよくなるパターンです。

どう解決しているのかは謎(笑)。

そのため、独立する場合には、

遠回りになるかもしれませんが、

小さな事務所を最低でも1年間は

経験すべきかと思います。

 

ブラック度

大きな税理士法人 = 小さな事務所

 

これは何とも・・・。

大きな税理士法人の方が、

この傾向が強い印象もありますが、

最初の数年を持ちこたえれば、

職員の回転率の早さから、

勝手に上のポジションになっていくため、

逆に居心地が良くなるパターンもあります。

給料も高いですし。

小さな事務所の場合、

入ってみたはいいが、

所長が苦手だった、

番頭さんにいじめられた、

あり得ない数の担当を持たされた、

これらは普通によくあるパターン。

小さな事務所の場合、

逃げ場がなくなるので、

大きな税理士法人同様に、

鬱状態になる人も非常に多いです。

面接の際にどれだけ見極めができるか、

それが重要です。

 

竹田の場合

私は元々地方公務員で、

税理士業界に転職するなら

100%独立すると決めておりましたので、

転職活動も独立ありきで行動しました。

結構色々な会社と面接しましたよ。

大きな税理士法人、

相続特化事務所、

SPC業務特化事務所、

執筆活動メイン事務所、

中小企業メインの大きめの事務所、

小規模事務所 etc.

5科目合格してからの転職とあって、

結構内定は頂きました。

そこで、独立を考えた時に、

全ての業務を行える事務所で仕事を覚え、

場合によっては専門性をつけられる

事務所に転職し、

そのスキルを身につけてから独立、

もしくはいけそうならそのまま独立、

と考えておりました。

そのため、面接時に全ての業務を

経験できるかをヒアリングし、

それが可能な事務所へ入ることにしました。

結局勤めたのはその1社のみです。

実はその事務所に勤めながら

MBAが取得できたため、

その卒業のタイミングでの独立。

やはり勢いは大事ですよね(笑)。

 

まとめ

税理士事務所への就職は

報酬面や待遇面も重要ですが、

自分が将来どのような税理士になりたいか、

それで決めるべきだと思います。

もちろん、ずっと勤務税理士として

勤めあげたいという考えもありです。

その場合、長く勤められそうな事務所を

選ぶべきでしょう。

また、私のように独立しか考えていなければ、

それを想定した転職をするべきです。

いずれにしても人生を左右する重要な

決定になりますので、

なるべく多くの会社の話を聞き、

最良と思える選択をしましょう。

take(テイク)会計事務所 竹田健司税理士事務所 代表税理士・MBA 竹田健司 さいたま市職員時代に税理士試験に合格し、 税理士となった異色の経歴。 また、勤務税理士時代に、ビジネススクールに通い、 首席で卒業。 そのMBAの取得をきっかけに 東京都豊島区池袋にて税理士事務所を開業。 ビジネススクールにて 一番の研究テーマであった飲食店のマーケティングにより、 コストをかけないで儲かる仕組みづくりを飲食店に提供。 それにより、開業より順調に顧問先を増やしている。