税理士試験ブログ 池袋の開業税理士です。

私は元々さいたま市の地方公務員でした。

大学を卒業し学校事務という職種に就きました。

当時64倍の倍率をくぐり抜けて採用されましたので

これ、結構自慢です(笑)

楽しい仕事でしたが、

何か自己啓発をしようと思いまして、ある日本屋に行きました。

その際に目に飛び込んできたのが税理士試験の本でした。

必須科目である簿記論の内容を確認したのですが、

大学の時に簿記2級を合格していた私にとっては、

「これ、結構簡単じゃね?」と思ったのが、悪夢の始まりです(笑)

 

税理士試験概要

税理士試験は年に一回。あつーい、夏に開催されます。

受験資格はそこまでハードルは高くないと思います。

1 主な受験資格

(1) 学識による受験資格

イ  大学又は短大の卒業者で、

法律学又は経済学を1科目以上履修した者 括弧 証明書類

ロ  大学3年次以上で、

法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者

ハ  一定の専修学校の専門課程を修了した者で、

法律学又は経済学を1科目以上履修した者

ニ  司法試験合格者

ホ  公認会計士試験の短答式試験に合格した者

 

(2) 資格による受験資格

イ  日商簿記検定1級合格者 括弧 証明書類

ロ  全経簿記検定上級合格者

 

(3) 職歴による受験資格

イ  法人又は事業行う個人の会計に関する事務に

2年以上従事した者 括弧 証明書類

ロ  銀行、信託会社、保険会社等において、

資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事した者

ハ  税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に

2年以上従事した者

 

https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/shikaku/shikaku.htm

 

そして最終的に5科目に合格する必要があります。

1科目の合格率は約10%

何年かかっても5つに合格すればOK!そういった試験形態のため、

働きながら税理士合格」

といった、資格学校の文言に思いっきり流されてしまいがち。

私ももちろん流されましたよ!

 

会計科目(必須)

そのうち2科目は会計科目です。

その2科目とは簿記論財務諸表論になりますが、

両方が必須科目となります。

この必須である2科目が厄介!

一見簡単に見えるので、受験生は頑張って勉強します。

ただし、実際はそんな簡単なものではなく・・・。

そして何とか努力して合格したのはいいものの、

その先の税法科目が地獄!

一旦地獄に足を踏み入れたものは後戻りできない・・・

という恐ろしい試験です。

 

税法科目(選択)

一方、税法科目は9科目の中から3科目を選択することとなります。

その中で、

所得税法と法人税法はどちらか一方を必ず受けなければなりません。

この2つが最難関

この2つは基本的に血反吐を吐かないと受からない試験です。

その他、

消費税法と酒税法、住民税と事業税は

いずれか一方しか受けられません。

 

受験専念型

受験生は受験専念型社会人型の2つに分かれます。

当然時間が多く捻出できるのは受験専念型。

よって普通に考えると受験専念組が有利、と言われがちですが、

受験専念組にも相応のデメリットがあります。

それはメンタルが崩壊すること!

周りの友達は正社員としてバリバリ働いている中、

自分は無職で、ずっと勉強。

社会と断絶されているような感覚・・・。

結果が出ればいいですが、難しい税理士試験。

勉強を沢山すれば必ず受かるものでもありません。

基本的には実家住まいで勉強をしている方が多いでしょう。

そうなると段々と親の厳しい目が(泣)。

そのようにしてメンタルが崩壊しかねないので、

もし受験専念型を選ぶなら、

2〜3年はアルバイトをしながらでも受験に専念し、

そこで数科目受かった後に会計事務所に就職し、

残りの数科目を働きながら勉強する、

といったスタンスの方が、

先のビジョンが見えているだけメンタル的にも楽だし、

結果も出やすいのかなと。

私の友達でもこのような方法を取った人がいましたが、

受験専念時にはほとんど結果が出なかったようです。

そして精神的にも金銭的にも厳しくなり、

仕方なく会計事務所に働きながらの受験に転換してから、

あれよあれよと受かり出し、

結果的に税理士になれたという方もいるので、

やはり勉強だけこもってやっていれば

よいというわけではなさそうです。

 

働きながら

かくいう私は公務員でしたので、働きながらの受験でした。

そしてなるべく早く受かりたかったので、

毎年2科目ずつ受験しておりました。

働きながら2科目ずつの受験は相当キツく

かなりの覚悟が必要だと思います。

やはり勉強時間が足りないので、

テレビの時間、ゲームの時間、漫画の時間は無くなり、

キッズまっしぐらの私の生活は一変しました。

本当に時間がないので、

理論暗記仕事の休憩時間

移動の電車に乗っている間はもちろんのこと、

歩きながらもやりましたし、

車を運転しながら(もちろんルールを守って安全に)

理論暗記ができる方法も開発しました。

また、今では笑い話ですが、

恥ずかしながらスピード違反で捕まり、

警察のバスで待機させられたことがありました。

その中には、他にも検挙されている方がいたのですが、

その中でも理論暗記をしていたのが私です。

ある意味狂っておりますね(笑)。

結果的に考えると、

そのような厳しい環境に身を置いたのは非常によかったと思います。

そして、もともと目標は5年で合格!を目指していて、

序盤は良いペースで合格していったのですが、

やはり人生そう上手くはいきませんね。

結局7年かかりました(泣)。

ただ、自分を慰めるわけではありませんが、

色々な情報や周りの状況を見ると、

働きながらだと

10年以内に合格できれば勝ち組なのではないでしょうか。

資格学校に通っているときも、

周りを見るとまだまだ自分は若い方だと感じておりましたし、

合格した際に参加した資格学校の合格祝賀祭の時も

間違いなく若い方でした。

そう考えると、年数の縛りがなく5科目合格というのは、

確かに社会人でも取り組みやすいとも思えますが、

非常に長く厳しい道のりでしかないと思います。

 

税理士試験合格への道のり

私の合格への道のりを記載します。

全く自慢できる内容でもないですし、

恥ずかしい思いの方が強いですが、

税理士を目指す方の参考になればと思います。

 

1年目 簿記論、国税徴収法・・・簿記論C不合格国税徴収法B不合格

2年目 簿記論、国税徴収法・・・簿記論A不合格国税徴収法合格

3年目 簿記論、財務諸表論・・・簿記論合格財務諸表論合格

4年目 法人税法、消費税法・・・法人税法B不合格消費税法A不合格

5年目 法人税法、消費税法・・・法人税法A不合格消費税法合格

6年目 法人税法・・・法人税法A不合格

7年目 法人税法・・・法人税法合格

 

難しさでいったら

法人税法>>>>>>簿記論>消費税法>国税徴収法>財務諸表論

※あくまで個人的な見解です。

 

3年で三科目受かったので、

「俺、結構いけるかも!」なんていう考えが甘甘でしたね。

やはり税法科目、特に法人税法は別格でした。

言い訳をすると、

私は理系出身なので法律の書き方が大嫌いですし、

全く頭に入ってこないのです。

結果的にも法人税法なんて4回目でやっと合格というレベル。

自己採点で相当な点数を叩き出した年もあったのですが、

それでも落ちたことがありました。

まぁ自己採点で落ちたと思っていたのが

合格していたこともあったので、

アテになりませんけど。

税法はセンスがある人などは、

そこまで勉強時間を確保できなくても

1~2回目で合格する人もいますので、

やはり向き不向きはあると強く感じております。

もちろん合格には運の要素も関係すると思います。

合格率がたまたま高かった年、

相性の良い講師と勉強できた年、

学校の直前対策講座がおもいっきり出た年・・・

色々な要素が絡み合って合格する、そんな試験です。

 

受講形態

私は資格の学校TACに通っておりました。

理由としては通信講座の環境が整っていたことです。

やはり働きながらの2科目受験では、

毎回通うのはだいぶ厳しいと思ったため、

WEB受講を念頭に受験を決めました。

WEB受講は自分に厳しい人でないと難しいと言われますが、

そのとおりだと思います。

私は公務員のきちっとした性格(?)のため、

自分が立てたスケジュールは絶対崩しませんでした

いくら飲み会があったとしても、

スケジュールは崩したくないので、

帰ってから深夜までノルマが終わるまでは

勉強するようなタイプでしたので、

WEB受講は自分にピッタリのやり方でした。

とは言っても、他者との研鑽の必要性も感じておりましたし、

試験という雰囲気に普段から慣れるという意味でも、

周りに人がいる状態でテストを受ける必要性も感じておりましたので、

WEBと通いを組み合わせた受験計画を立て、

通いの場合は週末を利用(土曜日は一日TACで講義)

して受講しておりました。

結果的には

 

WEBで合格・・・簿記論、国税徴収法、消費税法

通いで合格・・・財務諸表論、法人税法

 

となりました。WEBで受かった科目の方が多かったですね。

とは言っても、やはりWEBでの合格は難しいとされております。

そういったこともあり、

実は何度かWEBでの税理士試験合格者ということで

TACにおいて講演する機会を頂きました。

想像以上の人数

(30人くらいかと思ったら200人くらいいて緊張しました)がいて、

私が話す内容に非常に熱心にメモを取られていたのが印象的でした。

どちらの方法が良いかは、

自分の置かれた立場や性格によるところもありますので、

試行錯誤しながら最良の方法を見つけていくべきだと思います。

 

最後に

私は運良く合格できましたが、

辛い勉強をまだまだ頑張っている方がたくさんおります。

そのような方々やこれから受験をしようかと考えている方へ向けて、

私の実体験がなんらかの助けになれば幸いだと思っておりますので、

今後はもう少し突っ込んだ情報も記載していければと考えております。

最後に、

私は公務員を辞めるつもりで税理士試験を受けたわけではなく、

元々は自己啓発でした。

運良く合格したのはいいものの、

税理士になるかは本当に迷いました。

この楽しい公務員生活を捨てるのは間違いなくもったいない。

そして・・・

散々迷いましたがさいたま市に退職届けを出し、

こちらの業界に飛込ました。

そのような決断や会計事務所での修行を経て、

現在都内で税理士として開業しておりますが、

毎日本当に楽しくて仕方がないです。

そのような方々が少しでも増えれば幸いです。

take(テイク)会計事務所 竹田健司税理士事務所 代表税理士・MBA 竹田健司 さいたま市職員時代に税理士試験に合格し、 税理士となった異色の経歴。 また、勤務税理士時代に、ビジネススクールに通い、 首席で卒業。 そのMBAの取得をきっかけに 東京都豊島区池袋にて税理士事務所を開業。 ビジネススクールにて 一番の研究テーマであった飲食店のマーケティングにより、 コストをかけないで儲かる仕組みづくりを飲食店に提供。 それにより、開業より順調に顧問先を増やしている。